片山弁護士のチラシの裏
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コラム

第1回 成年後見①

 Q 高齢の母(認知症)の代わりに近くに住む私が銀行でお金をおろそうとしたら断られました。どうしたらいいですか。
 A 下関の高齢化は著しく,ご相談のような事案をよく耳にします。たとえ子どもでも,代理人でなければ代わりに銀行手続をすることはできません(以前は金融機関によっては黙認していた場合もあったようですが,最近は厳しくなっています。)。程度にもよりますが,認知症になると代理人に任命すること(代理権授与行為)ができません。
このような場合,家庭裁判所で成年後見の申立てを行うことになります。相談者の方が成年後見人になれば,銀行で所定の届出をすることにより,お金をおろすことができます。

第1回 成年後見①

第2回 成年後見②

 Q 父が死亡し,母(認知症で施設入所)と私たち兄弟が相続しました。父名義の自宅不動産の登記を移転しようとしましたが,できないと言われました。どうしたらいいですか。
 A 成年後見制度の利用を考える端緒として,不動産登記をしようとしたところ,共同相続人の中に認知症の方がいて登記できないという場合を多くみかけます。報道によれば,いわゆる所有者不明土地問題対策として,相続登記の義務化が検討されているようです。しかし,往々にして相続を受ける側も高齢者のことが多く,登記したくてもできないことがあります。
ご相談の場合,親子であっても勝手にお母様の名前で署名押印することはできません。家庭裁判所で成年後見人を選任してもらって,成年後見人が遺産分割の当事者となり署名押印をします。
第2回 成年後見②

第3回 成年後見③

 Q 独り暮らしの認知症の母の家に訪問販売が来て,羽毛布団を何枚も買わされました。どうしたら予防できたのでしょうか。
 A 消費者を保護するため消費者契約法,特定商取引法といった法律があります。これらの法律には一定の要件があり,あらゆる場合に解除・取消ができるものではありません。これに対して,成年後見人が選任されていれば,理由のいかんを問わず,法律行為を取り消すことができます(ただし,一度払ったお金を回収することは困難です。)。成年後見制度は,被後見人の権利を保護するためにあるのです。
第3回 成年後見③

第4回 成年後見④

 Q 認知症で施設に入った父に複数の消費者金融から請求書が届き、借金が発覚!しかし支払う余裕がありません。どうしたらいいですか。
 A 複数の金融機関からの借入があり,返済することができない状態を多重債務と呼びます。この状態になると,自己破産して債務を免れるか,民事再生や任意整理で分割して返済するかという選択をしなければなりません。しかし,認知症になってしまった状態では,これらの手続を利用することができません。
このような場合,成年後見人を選任し,後見人が財産状態を調査の上,自己破産や任意整理といった手続を選択します。
第4回 成年後見④

第5回 成年後見⑤

 Q 母が認知症になりましたが,まだ症状は軽く,ある程度自分で自分のことができます。この場合でも成年後見制度は使えますか。
 A 「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある」(民法7条)場合には,成年後見人が選任されます。
平たく言うと,自分でほとんど何もできない場合です。少しは自分でできる場合には,保佐(民法11条),ある程度は自分でできる場合には,補助(民法13条)という三類型があり,権限がそれぞれ異なります。
どの類型にあたるかは,医師の診断を元に裁判所が最も適切な類型を判断します。

第5回 成年後見⑤

第6回 相続①

 Q 相続しても不動産登記を放置すると大変なことになると聞きました。どう大変なのですか?
 A 今現在、相続登記は義務ではなく,明治時代の登記のままという土地もよくみかけます。その土地を売るときは,相続人全員が印鑑をつかないといけません。明治の登記ですから本人は当然生きておらず,複数回の相続が発生しています。
仮に1世代あたり3人の子どもがいると仮定すると,3代で27人です。27人もいれば音信不通の人もでてきます。27人全員に印鑑をついてもらうには大変な手間も費用もかかります。面倒になって放置され,所有者不明の土地になり放置されてしまうのです。

第6回 相続①